白生地

制作する着物の種類、用途、柄行きなどを考慮し、縮緬、綸子、緞子などの織り方と、多種多様な地紋の中からもっともふさわしいと思われる生地を選びます。

下熨斗

テンタと呼ばれる機械にかけて蒸気を当て生地の幅や長さを整えます。

つもり

反物をこれから染める着物の用途などに合わせて寸法を見積ります。

下絵羽

下絵を描く前に、白生地を裁断し着物の形に仮仕立てをします。

草稿

小下絵と呼ばれる完成品をイメージした絵図を描き、意匠考察を繰り返します。着物の用途や着る方の年齢を考慮し、絵柄や配色等を決める、着物の下絵作りです。草稿と呼ばれる実物大の原図を作る場合もあります。この段階で製品としての成否が決まります。技術、経験、センスを最も求められる工程です。

下絵

下絵羽した生地に青花(一年に一度収穫される露草のエキスを和紙に浸み込ませたもの。熱を加えない限り水で洗い流せます。)で下絵を描きあげます。

糸目糊

糸目糊は餅粉に白糠、にがり塩等を団子状に良く練り、炊き上げて亜鉛や石灰等で成分を程良く調節し作られます。職人たちは、この後の地入という作業でふやけてしまわない、友禅の挿しやすい糸目糊を造ることに創意と工夫を繰り返し、その独自の糊に誇りと自信を持っています。糊の質は炊いてから時間が経過すると変化してしまいます。粘り強さがあるけれども軟らかい炊いたばかりの糊と、時間が経過して堅く締まっている古い糊とを湯煎を繰り返しながら配合することで、糊の質を常に一定に保ちます。「糸目を引く」作業は柿渋(柿の渋を発酵させた液)を染み込ませた和紙で出来た漏斗状の道具に真鍮の先金をつけて、生地に食い込ませるように絞り出しながら下絵をトレースします。

糸目地入

引いた糸目糊を生地に食い込ませて防染力を発揮させ、染着を良くする為に施されます。反物に表から伸子(一定の幅を保たせるように布を延ばすための道具)を張り、布海苔と胡汁を配合した液体を生地の裏面より刷毛引きした後、糸目糊の水分の含み具合を確かめながら、絵柄の部分の水分をふき取ります。この際に下絵の青花も良く拭き取ります。天候等、湿度は大きく影響します。

友禅

その名の通り、この模様染めの中核の作業です。糸目糊で防染された部分に染料を一筆一筆根気よく彩色して行きます。暈かしの部分等は「カタハ」と呼ばれる小さな刷毛を用います。専門用語ですが「友禅を挿す」と言いますが、まさに長時間の集中力が必要なこの作業を良く表現している言葉です。
真糊糸目は防染力が強いため、染料はゆっくりと自然乾燥させることが出来ます。このことは色の深み、温もり、味わい等の質感にも大きく関係します。また、良い下絵、良い糸目糊、良い糸目地入の条件が整ってこそ、様々な暈かしなど、高度な技巧を十分に駆使する事が可能となります。

空蒸し

基本的に友禅は酸性染料を使用し、定着させるにはタンパク質に加え、熱と水分が必要です。檜で出来た蒸し箱のなかで、40分程蒸します。

伏せ

模様場(友禅を挿した部分)を餅粉、糠、塩で炊いた糊で防染(伏せ)します。ここでも季節や湿度に応じた塩分の調節が欠かせません。

地入

「伏せ」が済んだ反物に布海苔と胡汁を配合した液体を刷毛引きします。胡汁のたまりが出来ないように細心の注意が必要です。地入は染めムラを抑え、模様場への染料の滲み込みを防ぎ、絵際を綺麗に仕上げる目的で行われる作業です。ここでも湿度の管理がとても大切です。

引染

地入の十分な乾燥と、伏糊の適度な乾燥の後、鹿の毛で出来た刷毛で染料を刷毛引きします。染め斑を作らないために、引き初めから終わりまで、同じペースを守ることが大切です。

蒸し

染料を定着させるため、40分から1時間ほど蒸します。此処での失敗は致命的で、殆どの場合修復は困難です。生地、伏糊の十分な乾燥、蒸し箱内の温度、水蒸気量の管理が重要です。

水元(水洗)

糸目糊、伏糊、余分な染液と助剤などを洗い流し、生地の艶をよみがえらせます。絹糸は濡れた状態のときは非常に擦れやすく細心の注意が必要です。

仕上げ

模様にメリハリをつけ、生き生きと見せるために、金箔、顔料などで模様を仕上げます。

刺繍

絵柄の質感を高めるため、刺繍は友禅には欠くことが出来ません。豊かな経験と優秀な技術を持った職人は、その柄をより引き立たせるのに最も効果的な技術を駆使し、友禅に一段と品格を与え、輝かせます。

上げ熨斗

生地の幅や長さを水蒸気で整え、皺を伸ばすだけでなく、絹本来の質感をよみがえらせます。

地直し

加工中についた浸み、汚れ、擦れ等を補正します。

上絵羽

仮仕立てを行い、製品となります